わかる!厚生年金の基礎知識ー国民年金との関係性は?ー

マネー

18歳から厚生年金に加入している場合、M島くんの国民年金負担分はどうなる?

M島くん
M島くん

僕は18歳から今の会社で働いています。給与から社会保険料として厚生年金がずっと引かれているのですが、よくよく考えてみたら年金は20歳からですよね。18歳から20歳までの保険料は返してもらえるのでしょうか?

20歳前の厚生年金加入期間の保険料は返納されることはありません。20歳から加入するのはあくまで国民年金なのです。ここでは、厚生年金の基礎知識と国民年金と厚生年金の関係性についてお話ししましょう。ちなみにこの2年間の国民年金保険料分は将来の厚生年金額に『経過的加算(差額加算)』として2年分が加算されることになります。

厚生年金の基礎知識

1.厚生年金と国民年金の関係性、2階建ての年金制度とは?

厚生年金と国民年金は2階建ての年金といわれています。1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金という考え方ですね。そのため、国民年金の給付は老齢基礎年金、障害基礎年金など『基礎』という言葉が使われています。

国民年金は年金制度の基礎的部分、1階部分として機能します。厚生年金は2階部分となります。下記比較表に簡単にまとめています。厚生年金保険料は事業主も負担している点には注意が必要ですね。厚生年金は負担も大きいので年金額も国民年金より多くなります。

国民年金厚生年金
構造1階(基礎部分)2階
被保険者第1号被保険者(自営業、無職、学生等)第2号被保険者(会社員、公務員等)
加入年齢20歳~60歳(任意加入アリ)16歳~70歳
保険料定額(2023年度)給与・報酬額に基づく
事業主が同額を負担
給付内容老齢・障害・死亡老齢・障害・死亡
支給額老齢基礎年金【満額777,800円(2023年度)】【2階】老齢厚生年金(報酬比例+経過的加算+加給年金)
★【1階】老齢基礎年金【満額777,800円(2023年度)】

図の★では1階部分と2階部分の支給というのがよくわかるかと思います。1階部分は480月(40年)で満額となります。2階部分にはM島くんの18歳~20歳までの2年分に対応する国民年金額分に相当する経過的加算が行われています。経過的加算は60歳以降に厚生年金に加入している期間も含まれることになります。

もちろん老齢厚生年金額だけではなく、障害厚生年金、遺族厚生年金にも加算されます。

M島くん
M島くん

なるほど!じゃあちゃんと将来の年金額に反映されるんですよね。よかった。

国民年金の基礎知識については別途記事を作成しています。図の被保険者は、第1号被保険者、第2号被保険者と記載がありますが、国民年金制度の『強制被保険者』の分類になります。

ちなみに『会社員の配偶者』は第3号被保険者とされていますね。ぜひ、こちらの記事もご確認ください。

2.適用事業所ってなんですか?

適用事業所とは、法律により厚生年金に加入が義務付けられている事業場をいい、以下をいいます。
①国、地方公共団体、法人の事業所または事務所で、常時従業員を使用するもの。
個人の事業所常時5人以上従業員を使用するもので、非適用事業種(農林水産業、飲食店、サービス業等)を除く
③船舶

従業員数加入の有無任意適用
法人の事業所1人以上
個人事業所5人以上
1-4人×
個人事業所の非適用事業種(農林水産業、飲食店、サービス業等)×

〇……必ず加入 ×……加入の必要なし

任意適用とは、従業員の2分の1以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を受け、厚生年金に加入することができ、任意加入した事業所を『任意適用事業所』といいます。

3.パートタイムや短時間労働者は加入する必要はありますか?

適用事業所、任意適用事業所で働き、下記1、2に該当する場合は厚生年金の被保険者となります。

11週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の所定労働時間および所定労働日数の4分の3以上
21.に該当しない場合であっても①~⑤の条件にすべて該当する場合100人を超える被保険者を使用する事業所
②週の所定労働時間が20時間以上
月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上
雇用期間2カ月を超えると見込まれる者
⑤学生でないこと

①の条件は、令和6年10月より従業員は50人に改正されます。
気を付けなければならないのは社会保険の被扶養配偶者に該当する年収130万円の壁というものがありますが、①~⑤に該当する職場では、年収106万円以上に該当すると厚生年金と健康保険(社会保険)に加入しなければならない、ということになります。

メモ:被扶養配偶者の解説リンクを貼る

4.被保険者の資格取得・喪失と被保険者期間の計算

被保険者の資格取得と喪失は『日』で判断します。

資格の取得①適用事業所に使用されるに至った日
②使用される事業所が適用事業所となった日
③適用除外に該当するものがその規定に該当しなくなった日
資格の喪失①死亡した日の翌日
②事業所に使用されなくなった日(退職日)の翌日
③事業所が適用事業所で亡くなった日の翌日
④適用除外に該当するに至った日の翌日
70歳に達した日(誕生日の前日)
被保険者期間被保険者の資格取得した月から資格喪失した月の前月まで

退職時の資格喪失に関する事項は、退職する場合はぜひ確認してください。厚生年金の被保険者資格を喪失したときは国民年金に加入することになります。従業員だけでなく、企業も社会保険料の会社負担分をしているため、保険料が1月分納付する必要がなくなるというメリットがお互いにあります。

また後から、退職月は厚生年金だったと従業員から連絡が来たという話もありますので、退職日をいつにするかは確認しておいたほうがいいでしょう。

M島くん
M島くん

僕は退職するつもりはありませんが、退職日って重要なんですね。

確かに社会保険料って負担が大きいです。

そうですね。退職はよくよく考えてのことですし、転職先を決定する前に退職してしまう人も多いのですが、あとから以前の勤め先へ連絡しにくい人も多いです。しっかりと退職後の手続きや収入を考え、プランニングしたうえで退職するようにしましょう。

それでは、退職日を月末にした場合と月の途中で退職した場合を以下に記します。

退職日を月末にした場合

【5/31】に退職する場合は、退職日の翌日【6/1】が資格喪失日となり、6月が資格喪失月になります。資格喪失月の前月までが厚生年金の加入期間になるので、5月まで給与から社会保険料を徴収することになります。そして6月から国民年金なのでその年度の定額の保険料を納めることになります。

退職日を月の途中にした場合

【5/30】に退職する場合は退職日の翌日【5/31】が資格喪失日となり、5月が資格喪失月になります。資格喪失月の前月までが厚生年金の加入期間になるので、4月まで給与から社会保険料を徴収することになります。そのため、最後の5月分給与から社会保険料が引き落とされないので手取りが増えることになります。

厚生年金の保険給付

老齢厚生年金

1.老齢厚生年金の全体像

老齢に関する給付は、老齢年金といわれ1階部分は老齢基礎年金、2階部分は老齢厚生年金の2階建てを意味します。自営業者や専業主婦(主夫)など国民年金のみに加入していた方は老齢厚生年金のみの支給となります。

M島くん
M島くん

年金は480月、40年で満額ですよね。一カ月分でも年金を納付していればその分は年金支給してもらえるんでしょうか?

老齢基礎年金、老齢厚生年金の支給を受けるためには、10年以上の資格期間が必要です。

少なくとも120月の納付期間が必要になりますね。2017年(H29)の法改正で25年必要であったものが10年に短縮され、より多くの人が年金を受給できるようになりました。例えば、M島くんの18歳~20歳の期間は下記表の合算対象期間に該当します。

★受給資格期間

受給資格期間内容支給要件
保険料納付済期間国民年金保険料を納付した期間、厚生年金加入期間、第3号被保険者期間など≧10年(120月)
保険料免除期間第1号被保険者のうち納付免除(法定免除、申請免除)をした期間
合算対象期間年金の計算に含まれないが、受給資格期間に含まれる期間(例:学生免除の期間)

老齢厚生年金の支給要件を満たすことで年金を受給をできます。そして現在は65歳から年金が支給されます。

もっとも特別支給の老齢厚生年金受給者は60歳~65歳まで生年月日により段階的に支給開始されることになります。受給できるのは、男性1961(S36)年4月1日以前生まれ、女性は1966(S41)年4月1日以前生まれとなります。それ以降は65歳からの老齢厚生年金を受給することになります。

2.老齢厚生年金ー60歳台後半の老齢厚生年金ー

60歳代前半の老齢厚生年金は、『特別支給の老齢厚生年金』といわれ「報酬比例部分」と「定額部分」の2階建てという仕組みをとっていますが、1階部分、2階部分ともに厚生年金の独自給付となります。

2001(平成13)年より特別支給の老齢厚生年金の引き上げがスタートし、定額部分の支給開始年齢の引き上げが行われたのち、最終的に報酬比例部分の引き上げが完了しそれ以降は65歳から通常の老齢厚生年金の支給を受けることになります。

■特別支給の老齢厚生年金の支給要件

①男性は1961(S36)年4月1日以前生まれ、女性は1966(S41)年4月1日以前生まれであること
②厚生年金被保険者の期間が1年以上あること
③老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること
④60歳以上で支給開始年齢に達していること

■特別支給の老齢厚生年金の支給額計算

報酬比例部分の計算式(令和4年度)

どうして2003年前と後で数式が変わるかというと、2003年から総報酬制となり、報酬月額に賞与を加えることになったからです。


定額部分の計算式(令和4年度)

■加給年金額とは?

ここでは、加給年金額(配偶者加給年金額)についてお話をします。特別支給の老齢厚生年金にプラスされる年金で、報酬比例部分と定額部分を合算した(報酬比例部分だけでは支給されません)特別支給の老齢年金を受給できるようになったとき、以下の要件をみたすと受給することができます。

本人(受給権者)の要件厚生年金保険加入期間が20年(240月)以上ある
老齢厚生年金の受給権者が受給権を取得したときに、受給権者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる
加給年金額配偶者223,800円
1人目・2人目各223,800円
3人目以降各74,600円
配偶者加給年金額の特別加算

特別加算は、配偶者にのみ加算されます。

223,800円に加算され、256,900円~388,900円となります。

生年月日(受給権者)特別加算額
1934(s9)年4月2日~
1940(s15)年4月1日
33,100円
1940(s15)年4月2日~
1941(s16)年4月1日
66,000円
1941(s16)年4月2日~
1942(s17)年4月1日
99,100円
1942(s17)年4月2日~
1943(s18)年4月1日
132,100円
1943(s18)年4月1日以降165,100円
加給年金額の停止

配偶者自身が厚生年金保険の被保険者期間が『20年以上』あり、老齢厚生年金障害厚生年金等を受給できる期間は、加給年金額は支給停止となります。

配偶者が老齢基礎年金を受給するようになる場合は、『振替加算』に移行することになります。

3.65歳以降の老齢厚生年金

65歳以降の老齢厚生年金が本来の年金支給の姿といえます。2階部分が老齢厚生年金、1階部分が老齢基礎年金となります。

60歳代前半の老齢厚生年金は、1年以上の厚生年金被保険者期間が必要でしたが、65歳以降の老齢厚生年金では、加入期間1ヶ月以上あることが条件になるので適用事業所で1ヶ月でも働いて厚生年金に加入していれば支給をうけることになりますね。

①の報酬比例部分については、60歳台前半の老齢厚生年金の報酬比例部分と同様の計算式です。

■65歳以降の老齢厚生年金の支給額計算
①報酬比例部分

報酬比例部分は、60歳台前半の老齢厚生年金と同様の計算式となります。

②経過的加算額

60歳台前半の老齢厚生年金の『定額部分』は打ち切られ、60歳代後半では『老齢基礎年金』が支給されることとなります。ただしこのとき老齢基礎年金に切り替わることにより、以下の要因により老齢基礎年金額が下がることがあります。
・20歳未満、60歳以上の厚生年金期間が老齢基礎年金に含まれていない
・生年月日による給付乗率が適用されない

そこで、支給されるのが『経過的加算額』となります。

M島くん
M島くん

あ!出てきました!経過的加算額!僕が18歳から20歳まで働いていたときの国民年金負担分が経過的加算額で支給されるんですよね。

はは、そうだね。ただM島君は平成生まれなので60歳代前半の老齢厚生年金の対象にはならないけど。でも大丈夫、60歳代前半の老齢厚生年金が受給できなくても、65歳以降の老齢厚生年金が受給できれば経過的加算額として、20歳前の老齢厚生年期間を含めて支給されますよ。

③加給年金額
加給年金額配偶者223,800円
1人目・2人目各223,800円
3人目以降各74,600円

受給権者が、S9年4月2日以降生まれの場合は、特別加算があります。

障害厚生年金

1.障害厚生年金とは?

障害厚生年金は、ケガや病気が原因で障害等級1級~3級に該当する場合に受給ができる年金制度であり、3級より軽い障害の場合は障害手当金を受給できる場合があります。国民年金の障害基礎年金は1級~2級に該当する場合になります。

厚生年金のほうが補償が手厚いといえますね。

■障害厚生年金の支給要件
初診日要件初診日において厚生年金保険の被保険者であること
保険料納付要件
(国民年金と同様)
①初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、その被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上ある。
②ただし、2026年(令和8年)4月1日前は、①の条件を満たさない場合であっても、初診日の前々月までの1年間のうちに、保険料未納期間がない場合、保険料納付要件をみたしたものとされます
障害等級要件障害認定日に1級、2級または3級の障害状態に該当すること
■障害厚生年金の額

報酬比例の計算式を用いて計算されます。

厚生年金の被保険者期間の『300月みなし』という制度があります。どういうものかというと若い時に万が一障害を負ってしまうと障害厚生年金額は低額になることが考えられます。そのため被保険者期間は300月納付したことにしてもらえる、という制度です。

2003年以前と以降の年金額を計算し、合算した額を被保険者期間の総月数で割り、300ヵ月分をかけることで300月保障がなされます。

等級支給額加算額
1級報酬比例の額×1.25配偶者加給年金※
2級報酬比例の額配偶者加給年金※
3級報酬比例の額なし
(最低保証額583,400円)

※子の加算額はありません。障害基礎年金で子の加算額が行われます。

本人(受給権者)の要件生涯厚生年金の受給権者が受給権を取得したときに、受給権者によって生計を維持されている、または受給権発生後に生計を維持されることとなった65歳未満の配偶者がいること

2.障害手当金

障害手当金は、初診日要件、保険料納付要件は障害厚生年金と同様の要件です。ただし、障害の程度に関する要件は厚生年金保険の被保険者期間中に初診日のある傷病が、初診日から5年以内に治り障害等級3級よりも軽い障害が残ったときに支給されます。

障害手当金は一時金として支給されます。

障害手当金(一時金)報酬比例の額 × 2
(最低保証額1,166,800円)

遺族厚生年金

1.遺族厚生年金とは

遺族厚生年金は、死亡に係る給付で、遺族基礎年金が『子のある配偶者』に支給される給付であり、子供をメインにする給付でしたが、遺族厚生年金は世帯に対して支給されるものと考えることができます。

遺族厚生年金はとても難しい制度です。1階部分の遺族基礎年金との関係性を考える必要があり、子の加算額や中高齢寡婦加算額、経過的寡婦加算についても抑えておく必要がありますが、ここでは、遺族厚生年金の短期要件、長期要件による給付額を抑えておきましょう。

■支給要件

Ⅰ.死亡者の条件

短期要件①厚生年金被保険者が死亡したこと
②厚生年金被保険者期間中に初診日がある傷病により、初診日から5年以内に死亡したこと
③障害等級1級、2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
長期要件受給資格期間(25年以上)ある老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金の受給資格期間(25年以上)がある人が死亡したとき

対象者によっては、短期要件、長期要件両方に該当する場合があります。その場合はそれぞれの要件に対応する計算式で年金額を計算した後、どちらかを選択して請求することになります。

Ⅱ.保険料の納付要件

短期要件の①と②の場合、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、その被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上ある。
ただし、2026年(令和8年)4月1日前は、上記要件を満たさない場合であっても、初診日の前々月までの1年間のうちに、保険料未納期間がない場合、保険料納付要件をみたしたものとされます

Ⅲ.遺族の範囲とその順位

遺族の範囲の遺族とは、遺族厚生年金を受給することができる遺族になります。
遺族基礎年金は、子のある配偶者または子でしたが、遺族厚生年金は被保険者または被保険者であった人の死亡当時に、生計を維持されていた以下の人になります。
また、①~④は第1順位から第4順位を示します。
①配偶者と子(夫の場合は55歳以上、子は18歳到達の年度末までにある子)
②父母(55歳以上)
③孫(孫は18歳到達の年度末までにある孫)
④祖父母(55歳以上)

生計維持の要件は、年収850万円以上の収入を将来にわたって得ることができないと認められること、となっており死亡の当時に死亡した人と生計を同じくしていることが必要です。

また、夫、父母、祖父母の場合は死亡当時55歳以上であることが要件として挙げられていますが、60歳までは支給停止され給付が開始されるのは60歳からです。

■遺族厚生年金の年金額

▶遺族厚生年金(短期要件)

遺族厚生年金は厚生年金加入期間により、短期要件と長期要件があります。

上記は短期要件で、『支給要件』の①~③に該当する場合の計算式になります。

1.乗率に読み替えがなく、2.被保険者期間が300月未満のときは300月として計算される『300月みなし』となります。

遺族厚生年金(長期要件)

長期要件は、受給資格期間(25年以上)ある老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金の受給資格期間(25年以上)がある人が死亡したときの計算式です。
報酬比例部分に4分の3を乗じて計算します。そして生年月日によって乗率を計算することになります。

厚生年金保険料の納付

国民年金は基本的には毎月納付書を使用して個人が納めますが、厚生年金の保険料は会社員の給与と賞与の両方から源泉徴収されます。源泉徴収というのは給与と賞与から差し引かれるという意味です。給与額から差し引かれるのは個人負担分のみで使用者は従業員の負担額と同額の破壊保険料を納めることになります。そして会社側の負担分についても将来の年金額に反映されることになります。給与明細に社会保険料の記載があるのでぜひ、自分の厚生年金保険料を確認してください。

保険料の計算

具体的な計算方法についてみてみましょう。等級と計算については毎年都道府県別に発表される健康保険・厚生年金保険の保険料額表を参考にしましょう。

まず給与額をもとに等級が決定されます。等級は厚生年金は1級【88,000円】~32等級【650,000円】になります。等級をもとに標準報酬月額決定され、決定された月額に保険料率【18.3%】を乗じることで保険料を計算します。

標準報酬月額は毎年7月に見直され、標準報酬月額をもとに等級が決定されることになります。これを定時決定といいます。

そして、2003年から総報酬制が導入され、報酬月額に賞与を加えることになりました。

ボーナスからも社会保険料を支払うことになったため、別に標準報酬賞与額(税引き前賞与額から1000円未満を切り捨てた額)を決定して保険料を計算します。

賞与の上限は、150万円、保険料率は月額給与と同様に18.3%です。

厚生年金保険料額計算式例:月給20万(14等級)
厚生年金保険料標準報酬月額×18.3%33,600円
会社負担分標準報酬月額×18.3%/218,300円
個人負担分標準報酬月額×18.3%/218,300円

年金制度は国民にとってわかりにくい制度になっています。制度だけでなく自分がどのような状況にあるのかもわからないのが正直なところでしょう。

毎月数万円もとられてうんざりしてしまう、怒りさえ感じる方もいるかもしれません。

そういう場合は一度、年金ネットでご自分の納付状況を確認することをお勧めします。

20歳~現在までの過去の納付の有無、その金額が就業先ごとに確認することができます。

そして現時点での将来受け取ることができる年金額を知ることができます。

制度を理解してもなかなか実感がわかないのですが、年金ネットの内容を確認すれば制度についての理解が深まり実感も湧いてくると思います。

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